お笑いのキングコングが毎週YouTubeでのんびりと動画投稿をしているのをご存じだろうか?
「毎週キングコング」というチャンネル名で、最も古い動画では7年ほど前にもなる。かなり前から、こつこつと動画投稿していたらしい。
毎週キングコングのスタンスとして「チャンネル登録者数を伸ばすぞ!」というよりも「キングコングのいろんな表情を知ってもらいたい」の気持ちの方が強いように感じている。
だから、番組の作り自体もがつがつとした企画ものではなく、ほとんどが梶原と西野ののんびりとしたフリートークがメインだ。
毎週キングコングの超大作「下町ロレックス」
カジサックのつながりから、私は毎週キングコングもチェックするようになっていた。はねとび世代ど真ん中だった私にとって、オフの空気感が漂うキングコングの喋りが聞けるというのは、やはり嬉しいものなのだ。
ちょっとした普通の話なのに、2人が話せばそれはそれは面白くなるから不思議だ。
それに、なぜだろう?
はねとび当時よりも、今の方が2人とも数段かっこよくなっている。2人とも、やりたいことを活き活きとやっているからだろうか。
少し前だったかと思うが「下町ロレックス」というタイトルがつけられた、チームカジサックがロレックスの腕時計をお揃いで買いに行く!という動画がアップされた。動画3つ分をつなぎあわせたものなので、時間にして1時間21分56秒。
丁寧にテロップが付けられ、どんなシーンで見たとしても楽しみやすい動画になっている。この長い長い超大作の動画の編集を担当したスタッフにも、深く頭が下がってしまう。
前編・中編・最終編の3部作からなり、ほぼほぼ梶原のひとり喋りに西野が軽快に相槌を打っていくというものだったが、この動画が久しぶりに涙が出るくらいに面白かった。
梶原工務店という会社経営をしている設定がいつの間にか出来上がっており、町工場の社長さんがほんとに初めてのロレックスを買いに行くような話になっている。
六本木の正規店にいさんで乗り込んだら、正規店だからロレックスが買えなかった話。
六本木のお店でランチしようとしたら入り口がわからなくて入れず、結局コンビニのラーメンを食べた話。
ロレックスを買うために奮闘するチームカジサックが、気が付けばだんだんと愛おしくなってくるから不思議だ。
ここまで活き活きと面白い話を繰り出す梶原のことが、西野は大好きなのだなということも伝わってくる。毎週キングコングは、コンビ愛がとても強く伝わってくるチャンネルなのだ。
梶原の面白さがテレビでは伝わりにくいと判断し、毎週キングコングとしてYouTubeへと舞台を移していたことも、カジサックが生まれる土台になっていたのではないだろうか
私も毎週キングコングを見るまでは、梶原がこんなに面白いとは思わなかった。説明するまでもないが、カジサックとキングコングの梶原は全く異なるキャラクターだ。
カジサックは挑戦し続けるYouTuberであり、キングコングの梶原はボケっぷりを加速させているように感じる。
特にこの「下町ロレックス」は、どんなM-1グランプリのコントよりも面白いと感じる。
そしておそらくこの勢いのある笑いは、デビュー当時を彷彿とさせるものではないだろうか?キングコングのデビュー当時を見ていたわけではないので想像するしかないのだが、南海キャンディーズの山ちゃんがカジサックにゲスト出演したときに、面と向かって「大嫌い!」と言った気持ちが少しだけわかった。
ここまで突き抜けて面白い同期がいたら、心から嫌にもなるだろう。こいつらを倒さなきゃならないのかよ…と後ろ向きな気持ちにもなるだろう。
当時、爆発的に面白かったといわれているブラックマヨネーズの吉田は「俺達は苦労してようやく原付くらいのエンジンを手に入れた。でも、F-1カー(キングコング)には敵わんよ」と山ちゃんにこぼしていたらしい。
F-1カー。
キングコングがそういわれた理由が、この「下町ロレックス」を見ていると、合点がいくのだ。
成功するYouTuberと成功しないYouTuber
芸能人にしろ、一般人にしろ、成功するYouTuberと成功しないYouTuberの違いが最近なんとなくわかるようになってきた気がする。
それは、出演者・スタッフも含めて、いかに「チーム力」があり、いかに「愛」が感じられるかなのだと思う。
チーム力でいえば、カジサックはもちろんのこと、エガちゃんねるの絆もひしひしと感じるところがある。スタッフがカジサックやエガちゃんに全幅の信頼をおき、笑いを飛ばせば思い切り爆笑し、常にあたたかい空気がそこにある。
そうしたチャンネルは当たり前のように、チャンネル登録者数も右肩上がりになるのだな…と思う。
少し前のことにはなってしまうが、水溜りボンドがPさんとキイチとまんずと5人暮らしをしていたときの動画がとても好きだった。
それぞれがお互いをリスペクトし合い、友人同士でありながら一緒に馬鹿なこともやれる本当に素晴らしいチームだったと思う。
それぞれの道を選択したメンバー達を応援するべきなのだが、私はつい、あの時期の動画を見返してしまうのだ。
話を戻して。
毎週キングコングがもっともっとお笑いが好きな人達に広まっていってほしい。
現在の毎週キングコングのチャンネル登録者数は38.9万人。もっと爆速で伸びていっても不思議ではないチャンネルだろうと思うのだ。